合板が起こす内部結露
  最近、木造住宅の耐震性向上のために構造用合板を外壁に張った住宅が増えています。
  しかし、性能向上のために張った合板が内部結露を起こして、下の写真のように土台や柱を腐らせる重大な被害を起こすことがあります。(写真@)
写真@
  原因は室内で発生した湿気が壁内に侵入し、外壁側に張った 構造用合板は透湿抵抗が高く湿気を通しにくいために、壁内の湿度が高まり、結露を引き起こしたことが原因です。
  通常、構造用合板の上から透湿防水シートを張ります。このシートは名前の通り、湿気は通すが水は通さない性質ですが、シートの下の合板が湿気を通しにくいので充分な役目を果たせません。
又、外壁通気工法も、上記のように合板が湿気をせき止めてしまうために効果がありません。
内部結露を防止するには、
  @壁内に湿気を入れない
  A壁内の湿気を外部に逃がす  のどちらかです。
 @に対応するのは室内の防湿層です。室内側に防湿気密フィルムを貼り、湿気を壁内に入れない方法です。
 Aは、透湿抵抗の高い構造用合板ではなく、シージングボード等(写真A)の透湿抵抗の低い材料を使います。
シージングボードの湿気透過量は合板の約32に対して約112ですから、約3倍あります。
写真A
  @の方法は高気密住宅等で、すでに採用されていますが、施工精度を保つのが難しいです。気密フィルムによって室内の気密性を保つにはコンセントやエアコンのスリーブに至るまで、気を使わなければなりません。フィルムに隙間や小さな穴でも開いていたら意味が無くなってしまいます。
又、工事費もそれなりに高くなります。
  当社では、室内にグラスウール等の繊維系断熱材を使用した住宅の場合、防湿面を室内側に向けて防湿材の耳が柱や間柱を覆うように施工した上で、(これは、断熱材メーカーの標準の施工方法ですが、実際には間違った施工が行われている現場が多いのも事実です・・・)外壁側にシージングボード等の透湿抵抗の低い材料を使い、外壁通気工法によって湿気を排出する事で、壁内外のバランスを取る方法を採用しています。
これなら、均一な施工精度を保つ事が出来ますし、工事費に影響しません。
ただし、この方法は東北や北海道などの内外の温度差の大きい地方での採用は難しいと思います。
正しい 工事例 間違った 工事例
(拡大します)

  現在の住宅はサッシや新建材の性能が向上したことで、普通に作っても昔の住宅に比べて気密性が高くなっています。昔の住宅では雨漏りなどで壁内が腐ることはあっても、結露で壁内が腐ることはありませんでした。壁内結露は現代の住宅が快適性を追及した結果、発生した新たな問題で我々、施工者・設計者が真剣に取り組むべき問題だと思います。